昨日少しお話した、『本音と、建前』について話したいと思います

上棟は、建前、棟上げとも呼ばれるんですが

『本音と、建前』の語源が上棟で使われる、建前からなんです

それにはこんな話があるんです

昔、とても高名な棟梁がいました

その棟梁が建前の前の晩になって、自分のミスに気ずいたんです

それは、玄関の柱を短く刻んでしまって、どう考えても直せない

棟梁は自分の未熟さに死のうと考えます

それを見た奥さんが、自分が代わりに死んでも良いと思い

棟梁にお酒を飲まして寝かしつけ、寝ないで考えたのが

『枡』（マス）を使って補修する方法でした

翌朝差し出した枡を受け取った棟梁は、わかった！と言い

柱の足りない部分を補い、事なきを得たのです

ところが自分の恥が表に出るのを、恐れた棟梁は

自分の表向きの見栄や意地のために、奥さんを殺してしまったんです

殺してから、自分の犯した罪を悔い、未来永劫、弔うと誓い

女性の７つ道具（口紅、鏡、櫛、かんざし、おしろい、こうがい、かつら）を

棟の上に飾って供養したのが始まりで、建前の儀式となったそうです

『タテマエ』にこだわる男の見栄や意地に対して

『ホンネ』で応えた女の悲話が、語源となったといわれています

悲しい話ですが、奥さんの、夫を思う気持ちの強さが、素晴らしいですね